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エジプト航空の情報を集めました。

IALYSSOS(イアリソス)船上のカップル 1988年5月14日
旅行者:みどりのくつしたさん
旅行期間:1988/05/14~1988/05/15
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トルコのマルマリスから小さなボートで2時間かかりロードス島に渡った。
ここからエーゲ海を船でピレウス港へ入り、アテネからエジプトへ飛ぶ計画だ。

情報によるとアテネからナイロビのエジプト航空の切符を買えばカイロへストップオーバーできるという。
トルコのバス旅行が思いのほか時間を取ってしまったので、ロードス島に長居はできない。
ビーチでゆっくりとしようとしても、シーズン前でまだ水が冷たい。
どこでも必ず泳ぐ決意のさすがの僕もここでは二の足を踏む。

インフォメィションで紹介してもらった『ホテル・プサロプラ』は1泊1500ドラクマ。
1ドラクマが 0,9円なので約1350円。

ホテルの階下がバーになっていて、マネージャーは耳にピアスをした筋肉質の伊達男だ。
2人きりの時は、僕を見つめて片目を閉じたり開けたりする。
きっと、目が悪いのだろう。

城壁の中の旧市街をうろつき、オフロードバイクでリンドスまで往復して、2日でロードス島とはお別れ。
船会社のオフィスでピレウス行きのボート『イアリソス』の切符を買う。

2等の2人用船室を 1、5人分払って個人使用する。約7000ドラクマだ。
高いようだが午後4時出発で翌日の正午にピレウス着、20時間の船旅だし、ゆっくり眠りたい。
デッキで眠るには寒過ぎるし、寝袋もない。
知らない人と2人部屋というのは気を使って最悪なのでこれは仕方ない。

午後3時に我が『イアリソス』が港に着く。
大型のフェリー船だ。

船客は港で立って待っている。
その中に2人の東洋人のカップルを見つけた。

日本人のような雰囲気だ。
気付かない振りをして本当に日本人かどうか、2人がどういう関係なのかを遠くから観察する。

日本人だと即断して、慌てて声をかけると恥をかくからね。
アテネのイフェストウ通りのバザールで、日本人に間違いないファッションの可愛い女の子に『こんにちわ!』と声をかけたことがある。

すると、中国語で返事をされて、びっくりして逃げ出したこのは、ついこのあいだだ。
ロンドンで学校に通っていたころは日本人の女の子ばっかりだった。

そのころは、日本人を見る目もあったのだが、北アフリカからヨーロッパに戻ってからは東洋人が全部日本人に見えてしまう。
乗船して甲板にいると、東洋人は僕たちだけなので互いに自然と意識している。

日本語をしゃべっているのを確かめて、話しかける。
『日本からですか?今の時期珍しいですね』
『いいえ。オランダから来たんです』
思いがけない答えが返る。

話を聞くと、彼らはオランダの日本レストランで働いているというのだ。
日本を出てもう4年になるという。

これまでニューヨーク・ロンドンの日本料理店で働いてきた。
ニューヨークで働いている時知り合って同棲を始めた。
事情があってロンドンに移ったがロンドンは生活しにくい所。
それで今度はアムステルダムにやってきた。

ロンドンが生活しにくい所だというのは僕も4ヶ月ほどいたので納得する。
アムステルダムとは思いがけない所だが、ビザも必要ないし入国管理もないので世界中の訳あり人間の吹きだまりだそうだ。

女も麻薬も何でもありで、人種のるつぼだからみんな無関心で気楽だという。
『2人で働いていると、日本では考えられないような大きいアパートを借りれるし、こうしてギリシアへも旅行に来れるでしょ。親は心配してるけれど、日本に帰っても何にも楽しいことないじゃない』と女の子が僕に言う。

その通りだと思う。
外国の庶民の生活には余裕がある。
一度それに慣れてしまったら、働きずくめの上に人間関係が面倒な日本に戻って来れるはずがない。

2人はオランダからロードス島への滞在型ツアーでやってきた。
これからアテネに寄って帰りは飛行機でロードス島へ戻るという。

僕も久しぶりの日本人だし、彼らも仕事場の日本人以外に会うのは久しぶりだというので話が弾む。
僕は早速ビールに誘う。

旅先であった日本人と今までの経験を交換することは旅の大きな楽しみだ。
男の子は25歳ぐらいで、女の子も同じ位の歳。

今までの経験ではニューヨークが一番楽しかったという話だ。
『本当はニューヨークで生活するのが夢なんですけれど、ビザの問題があって入国出来ないんです』と言う。

ロンドンで英語を勉強した後、バルセロナでスペイン語学校に通い、その後北アフリカに渡ってからはずっと移動を続けている。
僕は、この頃アメリカ経由で日本に帰る計画を考え始めていたので、彼らのNYについての話を興味深く聞く。

僕も北アフリカから南欧にかけて旅行したばっかりだったので、彼らのおもしろがるような失敗談がいっぱいある。
ロンドンの悪口だけでも話は盛り上がる。

ついレストランの営業が終わるまで粘って、追い出されてしまった。
部屋に戻って、ベッドに寝ながらバルセロナからずっと持っている、ステファンキングの『IT』を読む。

エンジンの音が変わって、船がどこかの島に近付く様子だ。
甲板に上って、小さな港に船が着くのを見る。

夜は肌寒く、闇は深い。
流れ星がひとつ。
心で神に祈る。

次の朝はゆっくり眠った。
正午過ぎ、ピレウスに一緒に上陸する。

ピレウスは前に一度来たことがあるので2人を案内して歩く。
彼らはイドラ島へのボートを捜す。

ボートの時間を調べると、一緒に食事をする時間がない。
ここで別れることにする。

お互いもっと話したいことがあったが、さよならを言う。
彼はアムステルダムの住所と電話番号を紙に書いて『絶対に来て下さい』という。

僕はピレウスから地下鉄に乗る。
アテネに入る。
町の中心部のモナスティラキ駅を出た所で、住所を書いたメモを丸めて捨てる。
ケニアから多分もう一度ヨーロッパへ戻ってくる。
アムステルダムへもおそらく行くことになるだろう。
彼らの所に世話になれば楽かも知れない。

でも僕は『関係』から逃れて来たのだ。
『関係』を求めて来たのではない。

【写真】イアリソス
【旅行哲学】人は簡単に出会うが、別れることがもっと大切だ。

http://www.midokutsu.com/europe/ialyssos.htm

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